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アルコールが健康に与える影響

「酒は百薬の長」というように、適度にアルコールを摂取することは健康に良いという意見がある一方、アルコールの健康への影響が指摘されています。お酒が好きな方は、アルコールは体に良いという意見は嬉しいですよね。しかし体への影響が指摘されているので、心配もあると思います。ではアルコールは体にどのような影響を与えるのでしょうか。

二日酔いになる

アルコールを大量に摂取した翌日、頭痛、吐き気、だるさなど経験したことがありませんか。アルコールは体にとって毒で、これを分解しようとするのですが、アルコールの分解物が体内に残ってしまうと二日酔いになります。アルコールはアルコールデヒドロゲナーゼという酵素によってアセトアルデヒドに分解されます。このアセトアルデヒドは二日酔いの原因物質で、人体に有害で健康に影響を与えます。二日酔いになる人とならない人がいますが、酵素を持っている量や摂取したアルコールの量、アルコールの吸収率などによって違います。アセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素によって酢酸になり、さらに分解されて最終的には水と二酸化炭素になります。そして、尿や呼気として排泄されます。

脳が萎縮する

アルコールを摂取すればするほど、脳が萎縮するとも指摘されています。脳の健康に影響を与えるという研究結果がオックスフォード大学から発表されています。長期間飲酒をしている人とそうでない人を比べると、長期間飲酒をしている人はそうでない人よりも海馬が萎縮していました。海馬は記憶をつかさどる脳の部位です。アルコールを摂取すればするほど、記憶力が低下すると考えられます。脳の神経細胞は他の臓器のように幹細胞によって再生することはないので、一度萎縮してしまうと元に戻らないとされています。また、アルコールを大量に摂取していると認知症のリスクが高まるとも指摘されています。大量飲酒では、アルコール性小脳変性症、ウェルニッケ・コルサコフ症候群など脳の病気になる危険もあります。小脳は運動をつかさどる部位で、日常生活に支障がでることが心配されます。

肝臓への影響

アルコールと肝臓の関係はよく知られていると思います。摂取したアルコールは肝臓で処理されて、水と二酸化炭素になって排泄されます。肝臓は栄養の貯蔵、不要物の解毒、コレステロールや脂肪の代謝、アルブミンの合成など、さまざまな働きをしています。ところが、アルコールを大量に摂取すると肝臓の仕事が増えてしまい、肝臓の負担になります。アルコール代謝にエネルギーが使われてしまうと、他の働きが十分にできず健康に影響を与えると考えられます。また、アルコールを大量に摂取し続けると中性脂肪が合成され、肝臓に脂肪がたまった状態になり、脂肪肝となります。さらにアルコールを摂取し続ければ、肝臓に繊維が形成されて肝硬変や肝繊維症になったり、アルコール性肝炎になることもあります。肝硬変やアルコール性肝炎が進めば死に至る場合もあります。肝臓はなかなか不調が現れず、気がついたときにはかなり進行していたということもあります。

逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、胸やけ、酸っぱいものが口にこみあげてくる、胸痛、せき、喉の違和感などが特徴的な症状です。逆流性食道炎の人はアルコールを飲まない方が望ましいです。アルコールを飲むと胃が刺激されて、胃粘膜を荒してしまいます。特に胃が空っぽのときにアルコールを摂取すると、胃が強く刺激されるので胃粘膜には大きなダメージになります。缶ビール350㎖を2〜3本飲む人は逆流性食道炎になる可能性があるともいわれているので、逆流性食道炎の人はアルコールを摂取しない方がよいでしょう。逆流性食道炎は胸やけがするなど不快感があるだけでなく、健康に影響を与えます。胸やけがすると食欲が落ちて食べる量が減ります。すると、摂取する栄養素の量が減ってしまい、体に必要な栄養素が不足をします。必要なものが不足をすると体に影響がでてしまいます。

高脂血症に注意

アルコールの摂取は高脂血症にも注意が必要です。人間の血液中の脂質は、中性脂肪(トリグリセリド)、コレステロール、リン脂質、遊離脂肪酸という形で存在していて、体のエネルギー源になったり、体を構成する材料になるなどしています。これらいずれかが異常値を示した状態を脂質異常症といいます。特に問題になるものがトリグリセリドとコレステロールが異常値になっている場合です。高トリグリセリド血症は動脈硬化や膵炎の原因になり、またトリグリセリドの一部は肝臓脂肪内に取り込まれて脂肪肝になります。コレステロールにはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉これステロール)があります。アルコールの摂取で値が上昇するのはHDLコレステロールです。そのため、適量の飲酒は百薬の長といわれているのです。しかし、アルコールの摂取によるトリグリセリドの上昇もあるので、健康に悪影響を与えます。

まとめ

このように、アルコールを摂取すると健康にさまざまな影響を与えます。肝硬変やアルコール性肝炎となり、進行をして死に至るなど重大な影響を与えるケースもあります。「酒は百薬の長」というように、適量に飲酒は健康に良いという意見があります。しかし、このように体に多くの影響を与えるので、お酒とは上手に付き合うことが大切です。

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